注文住宅(フルオーダー住宅)は、建材を選びから自らが行い、建築士と一から理想の家を築きます。
セミオーダー住宅は、ある程度決まった外観や設備などから、施主がチョイスして理想の家に近づけていきます。フルオーダーと建売の中間的なイメージです。
・和風、洋風、フレンチ好きなタイプを選べる
・好みの色や建材を選べる
・設備も自由度が高い
一般的に注文住宅と言われているのは、ほとんどがこのセミオーダー住宅です。
ですが、セミオーダー住宅にも関わらず、フルオーダー住宅やそれ以上の価格で販売されている事もあります。
「セミオーダーがあなたの建てたい家の理想なのか?」
よく考えなければ、無駄の多い家にづくりになってしまいますよ。
自由設計について語る【メリット・デメリット】
その1:セミオーダー住宅
その2:デメリット
セミオーダー住宅のメリットは、大手ハウスメーカーと工務店のいいとこ取り。
ですが、デメリットも知らないと後悔するかもしれませんよ。
その1:セミオーダー住宅
- 基本設計がある
- 間取りを設計できる
- ある程度決められた設備や色を選択できる
まずはセミオーダー住宅について簡単に解説していきます。
①基本設計がある
外観や設備などある程度決められた設計の家です。
モデルがあって、それを施主によって肉付けしていく感じです。
基本設計と言っても、和洋折衷様々な家があるので、自分にあった建築会社で建てればより理想に近くなります。
②間取りを設計できる
間取りを自由に設計できるので、自分の理想に近い住みやすさを追求できます。
③決められた設備や色を選択できる
建築会社の中で決められた設備や色の中から自由に選ぶことができます。
建売のとは違ってお風呂やキッチンなどの選択肢も広がります。
デメリット
一般的にはあまり語られることが無いデメリットです。
- 間取りに失敗する
- フランチャイズの家
- 作らされた家
上記は、私の経験や建築関係者から聞いた事なので割と核心を突いた問題です。
①間取りに失敗する
基本プランがあるのでその通りにすればいいのですが、「自由」という響きでついつい無茶な間取りにしがちです。
設計士に外注する工務店では、間取りに詳しくない営業の方と決めている可能性も。
工務店にとっては、お客様第一なので忠実にプランを再現してくれる設計士の方が都合いい。本当は住みずらいと分かっていても指摘されません。
②フランチャイズの家
大手ハウスメーカーが企画・開発した家を加盟の工務店が建てる仕組みです。
大手が企画した家を建てるだけなので、中間マージンが少なく安くていい家が建つと言われています。
工務店によって、技術やサービスは様々。
省エネ基準の家など建てられない工務店なども加入している事もあるので、技術が高いかと言えば疑問です。
FCの家だと知らずに工務店にお願いしましたが、大手ハウスメーカー並み建坪85万円でした。しかも、今の家よりはるかにグレードは低いのに。独自性を宣伝して、金額を釣り上げているとしか思えませんでした。
作らされた家
大手企画なのでいい家が建つかもしれませんが安いとは言えるか疑問です。
先人にも触れましたが、私が見てきたFCの家は、坪単価80万を超える家ばかり。中には100越えも。
- 漆喰や珪藻土
- 無垢
- 造作家具
上記は内装にお金をかけさせる手法です。住みやすさとはほとんど関係ありません。
ある程度決められた設計に、言葉巧みに肉付けさせ価格を上げるのが、FC工務店の手法です。なので、見積りが完成したら、予算オーバーになります。
そこで、ローンぎりぎりまで組ませて、高い家を買わせるのが現実です。
造作家具なんて、プロが作る家具の値段だったりします。
一流の家具とは、人間工学に基づいて計算され作られている家具です。工務店おかかえの大工がそんな知識と技術を持っているとは思えません。
あなたの理想ではなく、建築会社の理想の家
住宅の中身、住宅性能の話を聞いても、決められたプランを提示されて、専門用語を並べられるのでイマイチ性能を理解できません。
結局、出来上がた家は、「メーカーや工務店側の理想の家」になってしまうんです。
オープンハウスの施主さんは、「言う事なし!大満足です!!」との事でした。なので、「結露しますか?」と伺ったら「結露します。多少は仕方ない」と言ってました。
私もここで、簡易見積もりをお願いしましたが、坪単価85万円でした。大手ハウメーカー並みの価格に驚きました。ネットで調べた坪単価が60万円だったので、あてになりませんね。
見た目の話をされると心が動いてしまうのが、住宅選びの恐ろしい所です。営業マンは、その揺れ動いた心の隙間を狙ってきます。
素人設計の家は資産が無い家
自由設計は聞こえはいいですが、住みやす家とは言えません。
その1:資産価値のない家
その2:解決方法:住宅マニアになれ
以下、資産価値の無い家を紹介します。
その1:資産価値の無い家
- 吹き抜けの家
- インナーバルコニー
- 屋根の無い四角い家
注文住宅でも割と人気の仕様ですよね。
しかし、資産を下げてしまうデメリットを含んでいます。
深堀していきます。
①吹き抜けの家
- 音が二階まで響きうるさい
- 思った以上に寒い
知り合いの家では、子育て期間中はヘッドフォンをしてテレビを見ていました。レビの音が二階まで響きうるさくて眠れないそうです。
暖められた空気は上昇するので、当然ですが寒くなります。床暖房を設置する事で解消できますが、吹き抜けのために高額な床暖房を設置する必要があるのか考えましょう。
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②インナーバルコニー
- 断熱の低下
- 雨漏りの危険
近年人気のインナーバルコニーですが、雨漏りの危険があるため中古として資産が下がる可能性が高いです。
考えれれば分かるのですが、家の中に雨を入れてると一緒ですからね。排水が詰まったら2階から浸水します。
掃除していても、大型台風でゴミ詰まりして一夜にして2階が浸水した現場を見ましたがマジで悲惨ですよ。
③屋根のない四角い家
- 雨漏りする
- メンテナンスで費用を取る
屋根の役割は、雨から家を守る事です。
小学生でも分かる事ですが、平面では水は流れませんよね。
10年後、家が傷みだした頃に雨漏りの危険性が高まります。そして、建てた建築会社がメンテナンスをして直してくれます。
「雨漏りする可能性があるので、直しましょう」と言われれば、当然直しますよね。
建築会社は分かっていながら屋根の無い家を建てます。10年後の修理代を取るためです。
住宅のプロが見たら、こういった家はリスクが高いので、資産価値が無い家と判断します。業界では、「ゴミの家」と呼ばれています。
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解決方法:住宅マニアになれ
資産価値の高い家を建て、騙されないためには住宅マニアになる事です。
家を建てる技術や細かい数値は、建築会社がやる事でなので難しい事を覚える必要はありません。
良い家と悪い家の区別が出来るようにるには、住宅に関する本を読み、現場の声に耳を傾ける事です。
住宅には都市伝説なみにやばい事がありますので。ぶっちゃけ、門外不出の資料を見た事がありますけど、驚きの事実が載っていますからね。
つまり、住宅マニアになればこういった資料も見る事が出来るようになります。ここでは絶対に書けない事なので、自分でたどり着くしかありません。
まとめ
セミオーダー住宅のデメリットを書きましたが、決して悪い家ではありません。
ですが、「自由設計」と言う言葉に巧に騙されてしまう方が多いのです。
- 間取りに失敗する
- フランチャイズの家
- 作らされた家
「自己満足だからいいだろっ」って思うかもしれませんが、数千万円も出して家族守るために作るのが家です。
将来困るのはあなた自身ですからね。
「かわいい」
「おしゃれ」
もちろん見た目も重要ですが、
・住みやすさ
・家事がしやすい
・コストがかからない
基本的な事を無視した家づくりは必ず後悔します。断言できます。
間取りやデザインにこだわる前に、見えない所を重視した家づくりを目指してください。
25坪から30坪の家づくりを考えている方向けの記事です。 小さな家の問題点として3つ・リビングが小さい・子供部屋が狭い・生活がしずらそう以上の事を考えるのでないでしょうか?[…]