はじめての家づくり「太陽光発電」はリスクを知らなきゃ損をする。

この10年間は、太陽光発電の普及が急速に進められ、多くの住宅で太陽光発電を見かけるようになりました。

太陽光発電と言えば、菅原文太さんCM

「朝日ソーラーじゃけん」

が未だに思い出されます(太陽熱温水器だったんですね・・・)。

時代は進んで、屋根一体型など、デザインもよくなりましたね。

設置を検討している方も多いのではないでしょうか?

「太陽光発電は儲かる?」

「お得?」

気になりますよね。

太陽光発電導入前に知っておいておくべき事を書いてみました。

儲けを目的にした太陽光発電は間違っています

太陽光発電の設置で“売電”を目的に設置しようとしていませんか?

10kw以上の住宅発電でも、カーポートなどを利用して20kw以上と多くのパネルを載せる事が出来るようになりました。

10kw以上の全量買取は、事業用としての買い取りと余剰買取の選択が出来、全量買い取りだと20年間売電が可能です。

20年間、毎月太陽光発電による収入を得ることができます。

売電価格が40円の頃は、全量買い取り一択でした。

全量買取価格が1/3になった現在では、

余剰買取の方がお得です。

[box class=”pink_box” title=”余剰買取”]自家消費して余った電気を売る制度です。家庭で使用した電気の余った電気を売電できます。[/box]

日中発電する太陽光。ライフスタイルに大きく影響する。

太陽光発電は、その名の通り、太陽の光で発電しています。

昼間しか発電しません。当たり前ですね・・・。

売電価格が下がった現在は、昼間電気を大量に使う人の方がお得になりつつあります。

真夏にエアコンを一ヵ月フル稼働させても電気代の心配は不要です。

しかし、共働きで日中家にいない場合などは、電気を使う事がありませんよね。

売電が高かったころは、共働きにとって最もおいしかったのですが、徐々に厳しくなってきました。

電気プランを見直して無理のない太陽光計画が必要です。

「儲けを出そう!」

なんて考えは捨て、自己消費を優先させましょう。

[box class=”pink_box” title=”電気料金プラン”]一般的には、オール電化住宅では夜間の電気料金が安いプランを選択します。

料金プランによっても金額に大きな差が出ます。ライフスタイルによってプランを見直す事も覚えておきましょう。[/box]

10kw以上の太陽光のデメリット

  1. 10kw以上は産業用・事業用

  2. 雨漏りの可能性

  3. 将来性へのリスクが高い

1.10kw以上は産業用・事業用

10kW未満が家庭用、10kw以上が産業用と太陽光発電は区別されています。10kw以上で太陽光を全量買取にした場合は、事業用や投資目的として見られる可能性があります。

建築業界は、ここ10年だけでも様々な施工不良、改ざん問題がありました。事業や投資とみなされた場合は、自己責任となってしまう可能性もある事を頭に入れて置かなければなりません。

また、全量買取の場合は、売電価格が20万円を超えると確定申告が発生します。

2.雨漏りの可能性

20kwに近い太陽光発電を設置すると、屋根の形は片流れ屋根が最も理想的な形です。

多くの方は、屋根から雨漏りするので安全と思っていますが、雨漏りは壁からです。外壁のあらゆる隙間が危険です。

片流れ屋根は、屋根からの雨漏りリスクは少ないですが、北側の外壁は雨漏りのリスクが高くなります。

特に太陽光パネルを載せるために作られた家は、見た目も悪くなります。

3.将来へのリスクが高い

20年間の売電は、補償されていますが、その後はわかりません。

ほとんどの太陽光事業者は、

「買い取りが0になる事はない!」

と言っていますが、可能性を否定できる人は誰もいません。

5年後ですら今の半額になると言われているので、20年後は0円でもおかしくないですからね。

また、20年後は子どもも独立して、夫婦で暮らしていますよね。それだけの電力を使うでしょうか?

設備のメンテナンス費用よりも、生活に必要のない無駄な設備となってしまいます。

太陽光発電の目的

太陽光発電は、エネルギー資源問題の解決策として世界中で進められています。

質の高い住宅を建て、太陽光発電を取り入れ、無駄のない省エネ生活を送る事が目的です。

価格競争で太陽光システムは安くなってきましたが、売電が安くなった現在は、必要以上の太陽光はデメリットが勝っています。

ところが、一般住宅でも大量にパネルをのせる家が増えているますよね。

20年、30年後の設備投資の回収不可能な可能性+環境問題の心配も必要ですよ。

自己消費できる太陽光発電の設置が望ましいと私は思います。

関連記事:太陽光発電の設置の目安。注文住宅のパネル設置は、5kw~6kwが理想的。

10年後には半額以下の売電価格

先ほども少しふれましたが、2025年頃をめどに段階的に、現在の半額以下の売電にする事が決まっています。

蓄電池を利用して自己消費するスタイルになるでしょう。

現在の半額となると、初期投資の回収は不可能です。

急ぐなら、今ですが導入は慎重に行うべきです。

導入メリット

導入メリットは、新しく住む家と以前の住んでいた家の光熱費の差額です。

太陽光発電とオール電化の電気だけの生活になれば、ガス、石油などはかからなくなります。

年間で、数十万円も変わるので、設備投資や売電だけを考えずトータルで考えるとお得になる可能性はありますよ。

電気料金の値上がり

電気料金も今後上がって行く事がほぼ確定しているので、オール電化のみの住宅の場合は、電気代の高さに驚かされる事になるかもしれません。

「太陽光発電を設置しておけばよかった・・・」

なんてならにようにしましょうね。

メンテナンス費用は下がるかもしれない

太陽光の設備が壊れたとしても、価格は大幅に下がっている可能性があります。

足場の料金や工事費用はかかりますが、パネル、パワコン、蓄電池の価格は大幅に下がる可能性があります。

十数年前の液晶テレビの価格を覚えていますか?数十万円していた、50インチのテレビが10万円でかえるようになりました。

2010年以降、急速に太陽光発電が普及しているので、テレビと同じように価格は下がっているでしょう。

最後に・・・今後の太陽光発電

今後は、事業目的の太陽光発電ではなく、自己消費の太陽光発電へと変わって行きます。

売電制度を縮小し、蓄電池を使用した太陽光発電へと変わって行くでしょう。

現状では、蓄電池もまだまだ高いので、導入する必要はありませんが、10年後には、設置する可能性も含めて検討が必要です。

大手ハスメーカーでは、10kw以上の太陽光のプランが多く出ていますが、現在の売電価格ではデメリットが大きすぎます。

太陽光発電の導入は、メリットもデメリットもあり絶対にとは言い切れませんが、

太陽光発電がメインの住宅なんておかしいですよね。

太陽光発電は、いい家づくりのための手助けです。

家づくりの方向を間違えないように、太陽光発電の導入を考えましょう!!