前々から噂のがあった「省エネ基準の義務化は先送り」が決まり、日本の住宅は世界から圧倒的に遅れる事になりそうですね。
「半数近くの建築会社が省エネ基準の住宅を建てられない」
「大手ハウスメーカーやパワービルダー等の建築会社の圧力」
色々な噂がありますが、頑張ってきた建築会社にとってはあり得ない決定です。
先進国では、厳格な法律があるので、日本のレベルの住宅を建てる事が出来ないですからね。健康的で豊かな生活を送れるように、国が率先して家づくりに力を入れています。
日本では、基準値をクリアしている大手住宅メーカーや工務店の家は、価格が高額。とてもじゃないが買えませんよね。
「一般庶民は、20年前のレベルの住宅に住んでいなさい」って事なんですかね。
ですが安心し下さい!
高性能住宅に取り組んでいる建築会社や設計事務所は必ず見つかります。
ローコストで高性能住宅を建てる事は可能ですよ!!
高性能住宅とはこんな家
高性能住宅は、家の見えない部分、基礎から工法、断熱材、窓、設備等、こだわりが必要になります。
断熱性能の高さを数値化し、熱損失係数をQ値と言い、値が低いほど高性能な住宅であると言えます。専門的な数値なので、「Q値=1.0の家は凄い家」と覚えておきましょう。
大手ハスメーカーでもこの数値を実際に達成するのは難しいかもしれません。
現在は、Q値に変わり、外皮平均熱貫流率UA値で表記されます。ZEH基準のUA値が0.6なので、0.5以下を達成したいところ。
年間の光熱費が半分以下となり、ヒートショックや結露による健康被害からも守ってくれる理想の住宅と言えます。
Q値=1.0の家
建築費は高くなってしまいます。
しかし、一年中快適に過ごせ、光熱費もかからなくなるので決して高い家ではありあません。
私の住んでいる関東では真冬でも日中は、暖房を使う事なく過ごす事ができます。
日光や暖房によって温められた家は、夜間、暖房を切った状態でも室温が15度以下になる事はありません。外の気温がマイナスに下がっても15度を下回った事はありません。
ちなみに、我が家はカーテンを付けていません。それでも気温が下がらなないので驚き。未だに信じられません。
光熱費のかからない家
我が家の昨年の電気代は、14万5千円でした(5.85kw太陽光発電・売電は除く)。二世帯住宅と職場の電気料金が一緒になっているので、一般家庭より高めです。
一般の4人家族なら、年間5万円ほどに抑える事ができるので、夫婦共働きで日中電力を使わなければ、5万円以下に抑える事も可能です。
もちろんオール電化なので、水道以外の光熱費はかかりません。
つまり、高性能な住宅を建てれば、光熱費がとてつもなく安くなるため、初期投資分は回収できてしまいます。
現在の省エネ基準の家(きちんと施工されている)でも、坪単価で3~4万円程度で可能になります。
関連記事:高気密・高断熱、太陽光発電の家。気になる1年間の電気代を発表するよ。
ローコストでQ値1.0の家を目指す!
現在の省エネ基準に、窓やサッシ、断熱材などの設備投資が必要となります。
金額を抑えて建てるためには、不要な物を付けないと言う考え方です。
間取りをシンプルにして、水回りの設備を見直すだけで、数百万円減らす事も可能です。
家の形をシンプルにする
高性能住宅の一番の目的は、熱損失を少なくする事です。保温力を高めると言った方がわかりやすいですね。
そのためには、極力シンプルに家を建てる事がベストです。
家の凹凸があればあるほど、熱損失は増えます。
間取りも見直すべき個所はたくさんあります。
廊下って寒いイメージがありますよね。廊下を設けるだけで保温力は下がってしまいます。
シンプルに住宅を作るだけで、単純にコストダウンになるのでメリットだらけす。
そして、もっともコストが安く機能的で丈夫な家は、総二階建ての住宅と言う事を覚えておきましょう。
関連記事:総二階の外観をおしゃれに!安っぽくならないための建材選び。
トリプルガラス樹脂サッシの窓
簡単に断熱性能を上げる事が出来るのが窓です。Low-E複層ガラスを標準仕様にしている建築会社も当たり前になってきました。普及が進んでいるので、コストをかけずに導入が可能になってきました。
樹脂サッシは、結露を防ぐためにも是非取り入れたいただきたいと思います。
問題は、ペアガラスかトリプルにするかです。寒冷地では、トリプルガラスの選択も必要かもしれませんが、関東より西の地域では、日射のある南側をLow-Eペアガラスにする事で、コストダウンを図る事できます。
冷暖房効率の良い家
冬は暖かく夏は快適に、極力光熱費をかけずに過ごせるのが高性能住宅の魅力です。そのためには、少ない冷暖房設備で家全体の温度コントロールをしなければ意味がありません。
「室床暖房や各部屋にエアコンの導入を極力抑える」それこそが、省エネ住宅の家づくりです。
我が家では、床に桐材を使用しています。来客のほとんどの方が、床暖房と勘違いします。保温性が良く、暖かい床が実現可能です。高断熱との相性が最もいい建材と言える程です。
冷暖房設備に頼るだけではなく、工夫次第で快適な家は可能になります。
関連記事:【桐の床】夏サラサラ・冬あったか!床暖不要のフローリングです
換気と高断熱が結露を防ぐ
家の熱損失を低く抑え、換気や計画がきちんとできていれば、結露に悩まされることはなくなるでしょう。
高性能な住宅を建てたのに、結露が出来る事があります。
どの部屋でも常に一定の温度を保っていれば、冬場でも結露する事はありません。温度を保って、換気(空気の流れ)を作ってあげる事が大事です。
湿気の多い、風呂場や水回りの換気計画もしっかり行いたいです。
水回りにお金をかけても意味が無い
キッチン、お風呂、トイレにこだわっても、慣れ親しんだ生活を変える事はできません。
キッチンを最新にしても料理は美味しくならないし、お風呂にこだわったところで、リラックス効果は得られません。
こだわるのであれば、家事が楽になるような設備を入れましょう。
例えばキッチンなら、食洗機、広めのシンク、全面ガラスのIHクッキングヒーター等で掃除も使い勝手も格段に上がります。
メーカーを統一して、スタンダード品を選ぶ
水回りのメーカーと言えば、
[aside type=”boader”]- TOTO(トートー)
- LIXIL(リクシル)
- Panasonic(パナソニック)
上位人気メーカーとして有名です。
当然、出荷も多いので、大きな割引が期待できます。
それぞれのメーカーのスタンダード品を選ぶ事で、さらに割引も期待できるので、直接設計士さんに交渉してみる価値はあります。
私は、パナソニック製品を選びましたが、お風呂、トイレ、キッチン合わせて、約110万円でした。割引りは60%以上です。
お風呂のNG
[aside type=”boader”]- ヒノキのお風呂
- 黒で統一された風呂
- 窓を付ける
ヒノキのお風呂は、すぐにカビます。常に換気を意識しないと数年後には、黒カビで汚いお風呂の出来上がりです。メンテナンスの費用や時間もかかるので、一般の住宅では避けたいです。
黒で統一されたお風呂は、水垢がとても目立ちます。掃除の手間がかかるし、水垢は簡単には落ちません。
お風呂に窓を付ける理由として、リラックス出来る事や換気があげられますが、入浴時間は短い方が理想で、長く入ってもリラックス効果は得られません。
窓を開けて換気すると、かえって外の湿気を呼び込む事になりかねません。カビや湿気対策は、シンプル設計で極力物を置かない事がベストです。
断熱を優先するならユニットバスにして下さい。
見えない所はお金をかけ、見えるところはシンプルに!!
ローコストで高性能住宅は難しくはありません。
デザインに凝るらないで、シンプルに徹する事です。
多くの有名建築家の自宅は、シンプルで機能的です。住みやすさを追求した結果です。
最初にもどりますが、「省エネ基準の義務化は先送り」となり、省エネ基準以下の住宅がこれからも認められてしまいます。
省エネ基準を無視した住宅にたくさんのお金を払う事になるんです。
ですが、この数年間、省エネに対して取り組んできた建築会社もいます。
そういった建築会社や設計士に出会えれば、大手ハウスメーカーと同じ、それ以上のQ値1.0の家は、ローコストでも可能になります。
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